赤ちゃんはお母さんのおっぱいを吸って大きくなります。赤ちゃんを母乳の栄養だけで育てるのは、生後大体５，６カ月までです。その後赤ちゃんは離乳食から栄養をとるようになり、離乳食から幼児食に移行するのが、１歳５，６カ月ぐらいです。その時期が、一般的には赤ちゃんがお母さんのおっぱいから離れる「卒乳」の時期だと言われています。しかし、３歳ぐらいになって、母乳に栄養を求める時期ではなくなっているのに、お母さんのおっぱいを欲しがって吸っている子どももいます。
これは、子どもがお母さんを身近に感じて安心感を得ている表れでしょう。ですから、無理やりに子どもをおっぱいから引き離すのではなく、その子どもの成長段階に応じて、お母さんのおっぱいから離れる「卒乳」の時期を考えてあげましょう。周りの子が既に「卒乳」しているのに、自分の子はまだ卒乳しないから「発達が遅いのではないかしら？」と心配するお母さんもいらっしゃいますが、日々栄養を摂って体が成長していれば、「卒乳」の時期が遅れても何の問題もありません。
今日が「卒乳」と言う日を決めるには、どんな条件が必要でしょうか。それは、毎日３食母乳以外の栄養の摂り方が出来る食事のリズムができていること、そして、母乳やミルク以外で水分補給ができることです。また、子どもの心理状態も考えて、突然「卒乳」を宣言するのではなくて、子どもに前もって声をかけて、お母さんと子どもが一緒にその日を決めると良いでしょう。「○○ちゃんもおおきくなったから、お母さんのおっぱいとはバイバイね。」などと子どもの不安を和らげるような声かけが絶対に必要です。
一方お母さんの乳房にとっても、計画的に「卒乳」の時期を決めるのは、良いことです。唐突に母乳を赤ちゃんにあげることをやめると、乳腺炎になりやすいのです。ですから、「卒乳」に向けて母乳をあげる時間を徐々に短くしたり、回数を減らしたりしていってください。そして最終的には数日間母乳を絶ってみます。この時に、赤ちゃんや子どもは泣いたり、甘えてきたりするかもしれません。しかし、赤ちゃんや子どもの気持ちに寄り添いながらも、お母さんの乳房のためには母乳をあげないようにします。
そして、この数日間で溜まっている母乳をすべて出します。さらに１週間、１か月など時期を決めて母乳をすべて出しきることで、乳腺炎を防ぐことができるのです。お母さんにとっても、赤ちゃんにとっても、「卒乳」は大変な時期ですが、子どもがまた一段と成長してい行くのを楽しみにこの時期を乗り越えましょう。
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